リクマユはそろそろ害かもしれない

 リクについて語るブログに改名した方がいいのかもしれない。

 今週、NiziUたちはt お笑い芸人everybodyのネタ、「クリティカルヒット」の動画をTikTokであげていた。

 この「クリティカルヒット」のネタは、リズムに合わせてコンビの女性の方のかわなみchoyがスキスキ!と迫り、男性の方のタクトOK役は白けている。しかし、最後には「クリティカルヒット!」の掛け声に合わせて彼女に惚れるというネタだ。解説するとつまらないが、実際に見ると独特のリズムが面白い。

 マコとアヤカ、リオとニナ、マヤとマユカとリマと珍しい組み合わせが続く中、今日の更新はミイヒとリクだった。

 基本的には女役が愛嬌を振り撒き、男役は不機嫌そうだったり白けていたりする。しかし、最後には彼女の魅力にときめく、というのが大体の流れだった。全力でニコニコしてマコに好意を伝えるアヤカと苦虫を噛み潰したようなマコの組み合わせ、本家に一番近い押し付けがましい位の愛情表現をするリオと半眼に険しい顔つきで爪を眺めてみたりと興味のない素振りのニナの組み合わせ、色仕掛けしてくるマヤとやはり押し付けがましい愛情表現のリマに挟まれて苦悩するマユカと、解釈はその組ごとにずいぶん違っている。NiziUの女優といえばマヤだが、苦々しい顔つきのマコや目をすがめて無表情に振る舞うニナ、オーバーな愛情表現がコミカルなリオなど、みんななかなかの演技派である。

 そんな中、トリはリクとミイヒだった。同郷で何となく雰囲気も似ている2人ではあるが、年が半端に離れているせいか(2番目に年長グループのリクと末っ子グループのミイヒ。実年齢では2つ違い)、ペアになるのは珍しかった。NiziUは特にお姉さん組(マコ・リオ・マヤ)や、末っ子グループ(リマ、ミイヒ、ニナ)と年齢で括ることが多いので、リクミイヒの組み合わせは珍しい。

 これまでの三組は大抵向かい合って(三人でやった子たちは一列)いたが、リクとミイヒは違った。リクが手前に、ミイヒが一歩下がったポジショニング。リクは、リズムに合わせて「私、あなたのことがずっと好き!」と愛情表現をするが、視線は斜め上、体も斜め向きだった。一方のミイヒは後方で正面を向いていて、リクの顔を横から眺めている形になっている。

 マコ、ニナ、マユカは相手からの好意に困惑したり嫌がったりしていたが、ミイヒについては冷ややかな目でリクを見ている。腕を組んで距離を保ち、下顎のところに皺を寄せて、リクに好意を寄せられて嫌がると言うよりは、気味の悪いものを見せられて嫌悪感もあらわ、というような雰囲気だ。それこそ、街中で狂人に遭遇した時の雰囲気に近い。一方のリクは、何の演技プランなのか知らないが、虚空を見つめて、そこに向かってアピールをしている。横にいるミイヒのことを一度も見ず、くねくねと媚びてみせる。

 最後の決め台詞の「クリティカルヒット!」で、ミイヒは突然バッドを構えるパントマイムを始め、リズムに合わせてスイングする。斜め後ろにいるので、ちょうどリクの頭を振り抜く形だ。リクはカメラ目線でポーズを決めている。

 京都出身の2人なので、もしかすると練りに練った高度なコントなのかもしれないが、シュールというか、これは何なんだろう?と思う出来である。ミイヒの嫌悪感を浮かべる演技が達者なのに比べて、リクはにこりともせずに虚空に向かって媚びているのでそれもまた怖い。見た瞬間、困惑した。

 何を見せられたんだろう、と思いTwitterで検索すると、何故か「リクはマユカにアピールしているのでは?」という説を唱える人が多かった。確かに、リクはミイヒに対してそっぽを向いているし、リクがマユカを好きなのは周知の事実だ。しかしながら、この動画でリクのマユカ好きをアピールする必要はどこにもないので、まあリクマユ好きの戯言だろうと思っていた。

 しかし、器用な人はいるもので、リクミイヒの動画と前日のマユカの動画をつなげていた。横に並べると、何故だろう、リクは確かにマユカを見ているように見えるし、マユカにアピールしているように見える。そうなると、今日の動画はリク→ミイヒに見せかけたリク→マユカの動画なのだ。

 リクとマユカは仲がいい。オーディション中、成績の振るわないマユカが褒められるとリクの方が号泣していた。それくらいリクはマユカが好きだ。マユカも、リクには心を揺らしている。2人のコンビはリクマユコンビと呼ばれて、人気が高い。だから、リクが気を回してマユカへの愛を匂わせる動画を作った可能性は大いにあると思う。

 しかしながら、私は別段リクマユコンビに興味がない。みたいのはリクのパフォーマンスなのに、リクは「マユカ大好き🖤」を匂わせるのに腐心していて、15秒間無表情である。リクマユであればあとは二の次、と言う態度には、何だそれ?と言いたくなってしまう。

 もしかするとリクがマユカにアピールしているというのは私の勘違いかもしれない。リクが虚空を見つめているのには、もっと別の理由があるのかもしれない。だが、この先もリクマユアピールのためにパフォーマンスが疎かになったリクに遭遇するとしたら、うるさい母親よろしく「もうマユカと付き合うのはやめなさい!」と言ってしまうかもしれない。